治りにくいあなたのシミ!実は「後天性真皮メラノサイトーシス」かも?
皆さま、お久しぶりです!
前回、前々回と大人の「シミ」の主役級にあたる、老人性色素斑と肝斑(かんぱん)について取り上げました。
今回は、ありふれてはいないけれども、東洋人の女性に多い「後天性真皮メラノサイトーシス」という
シミについて、触れてみたいと思います。
他のシミと間違われやすい!後天性真皮メラノサイトーシスとは?
「後天性真皮メラノサイトーシス」と言われて、知っていると答える人はあまりいないでしょう。
皆さんが知らないのも当然と言えば当然です。
後天性真皮メラノサイトーシスは化粧品で改善させることが難しいため
TVのCMに登場することもないですし、雑誌の美容特集でも注目されることはほとんどありません。
認知度は低いですが、実はアジア人の女性に多いトラブルなのです。
ですから、日本人の我々としては、ぜひとも知っておきたいシミですね。
この後天性真皮メラノサイトーシスは、20歳を過ぎたあたりから気になりだし、
左右両側に対称に現れるシミです。
色調は灰色に加えて褐色を帯びていて、灰色~灰褐色の場合もあれば濃褐色の場合もあります。
頬の突出部に、小さい類円形の色ムラがまだらに分布することが多いです。
その他、下眼瞼・鼻根部・鼻翼部・こめかみ・額にも出ることがあります。
前回、前々回ご紹介した、老人性色素斑・肝斑、そして太田母斑といわれるシミと間違われやすいので
きちんと判別するためには皮膚科の専門医の診察がお勧めです。
一筋縄にいかない!! 後天性真皮メラノサイトーシスの治療
これまでご紹介した肝斑や老人性色素斑は浅い層(表皮)の病変でしたが、
後天性真皮メラノサイトーシスは皮膚の深い層(真皮)の病変が主体です。
さらに、多くの場合、浅い層の表皮にも色素を伴っており、そのため治療が一筋縄ではいきません。
厄介なシミですね!
クリニックでの治療としては、強力なQスイッチレーザーが第一選択肢となります。
ですが、色素が表層にもあるため、レーザー後に一時的に濃い色素沈着を伴ってしまいます。
レーザー後の経過をよくするにはレーザー治療前に表層の色素のメンテナンスをすることをお勧めします。
トラネキサム酸内服、ハイドロキノンなどの外用剤、ケミカルピーリングやイオン導入などで
メンテナンスをするとよいでしょう。
他にも、表層のシミやくすみに効果のあるIPL光治療やフォト・RFなどの機器でも
メンテナンスとして有効です。
http://www.hiroo-prime.com/menu/question/spot.php
後天性真皮メラノサイトーシスは、適切な手順を踏んで治療を行えば、良好な結果が得られます。
反面、間違った認識で内服、外用、IPLやフォト・RFのみ行っても消えることがないシミなのです。
是非、治療しているのに消えない「シミ」がある場合は、専門医の診察を受けてみてください。