ドクター指南、身体にできるニキビの治し方
これまで、様々なニキビのお話をしてきましたね。
顔にできることで悩むことの多いニキビですが、実は身体にもできてしまい、
悩む方は多いものです。
◆ 顔だけじゃない…身体に出来るニキビについて
夏になると汗をかくことが多くなり、背中など身体にニキビができやすくなります。
身体に出来るニキビは普段見えない場所なので、あまり気にしない場合も多く、
受診される方はかなり悪化した方や、できてから年月が経過した方のケースが多いです。
また、顔と違って身体、特に背中などは外用薬を塗布することが自分では難しいため、
現実的に行いやすい治療を選ぶことが大切です。
ニキビを放置しておくと、炎症後色素沈着が起こりさらに治療に時間がかかってしまいます。
治らない場合は放置をせず、速やかに皮膚科を受診しましょう。
◆ 身体に出来たニキビの治療方法
あまりひどくない場合は、ピーリング剤が含まれた石鹸を
週に2-3回程度、使うだけで改善します。
炎症を伴った赤ニキビが10個以上できてしまった場合は、
抗生物質の内服が有効です。
また自費診療になってしまいますが、サリチル酸・グリコール酸などの
ケミカルピーリングという方法も効果的です。
施術者にニキビの状態を確認してもらいながら治療ができ、治す効果のほか、悪化を防いだり、
新たなニキビができるのを予防する利点があり、3-4週間のペースで続けることをおすすめしています。
さらに、ピーリングと一緒にイオン導入を行うと相乗効果があり、
特にビタミンCイオン導入には美白効果のほか、皮脂の過剰分泌を抑える作用があるため、
肌に浸透させることで毛穴詰まりを起こしにくくなり、ニキビが悪化する可能性を低減できます。
また、美白作用とコラーゲンの合成促進作用によって、ニキビ跡の凹凸を軽減する効果もあるとされています。
効果的な治療法の1つという認識でおすすめできる治療法といえるでしょう。
◆ 妊娠中のニキビ治療の注意点
ニキビの時に使われる抗生剤でよく処方されるのはニューキノロン系の
抗生剤の内服・外用薬のアダパレンですが、妊娠中には安全性が確立されていないため、
妊娠の可能性がある方には処方を推奨されていません。
ただ、有用性が危険性を上回る場合、例えばニキビの場合は瘢痕をいくつも残してしまうような
ひどい状態には使う必要を考えるべきかもしれません。
原則として、妊娠中のニキビに対しては、外用の抗菌剤や過酸化ベンゾイルが用いられることが多いです。
これらの薬は皮膚への局所的な使用によって、胎児への影響は考えにくいとされています。
妊娠中、または妊娠の可能性がある方は、きちんとその旨を
皮膚科専門医やニキビ治療を得意とする医師に相談しましょう。
ピーリングやイオン導入などの治療も、妊娠中には控えるべきとの見解もあります。
そういった方向の治療をしたい方は、ビタミンCなどのスキンケアを中心とした治療をおすすめしています。
◆こども(12歳未満)のニキビ治療はどうするべきか
最近の環境や食生活の欧米化でニキビも低年齢化が進んでおり、
ニキビ発症年齢の平均は13歳と言われており、12歳未満でのニキビも実は珍しいものではないのです。
子供の場合、ニキビの瘢痕を残さないようにしてあげるのが最も大切です。
思春期前の小学生では、主にTゾーンにコメド(面皰ともいわれる。ニキビの元となる角栓のこと)や
炎症性の小さなニキビができることが多いです。
外用抗菌剤や抗生物質、過酸化ベンゾイルなどを適切に使用してあげることで、
ニキビの悪化や瘢痕を残すリスクを減らすことができます。
これらは保険診療範囲内で治療可能なので、早めに皮膚科を受診しましょう。
ニキビ治療は【時間】との戦いです。
ニキビが悪化して重症化してしまう前に、適切な治療で美しい肌を手に入れましょう!
